紛争処理センター

(財)交通事故紛争処理センターとは

交通事故の話し合いがまとまらない場合、最終的には裁判で決着をつけなければなりません。しかし、裁判には費用の負担や精神的な苦痛を伴う場合があり、また、解決までに長く時間がかかることもあります。
このようなときに、加害者に任意保険会社が付いている場合には、(財)交通事故紛争処理センターを利用する方法があります。

(財)交通事故紛争処理センターは、昭和53年3月、交通事故の損害賠償に関する紛争の解決を目的に設立されました。
保険会社などでは「紛争処理センター」や「紛セン」「紛セ」などと呼ばれ、現在、東京本部と7つの支部、2つの相談室と、全国に10ヶ所の拠点を設けて、主に次の業務を行っています。

・交通事故に関する弁護士による無償法律相談
・交通事故に関する弁護士による和解の無償斡旋(あっせん)
・交通事故に関する紛争解決のための審査 など

現実的には、被害者と加害者の任意保険会社との間における和解斡旋、審査を主な業務としています。
なお、搭乗者傷害保険や人身傷害補償保険など、ご自身が契約している保険に関するものは、相談や斡旋、審査の対象とはなりません。

※ 斡旋(あっせん):間に入って双方の仲を取り持つこと

財団法人 交通事故紛争処理センター http://www.jcstad.or.jp/

 

(財)交通事故紛争処理センター利用のメリットと効果

  • 無料で弁護士による和解の斡旋や審査を受けられます。

  • 損害賠償額は、原則、「弁護士基準」で積算してもらえます。
    東京本部では、(財)日弁連交通事故相談センター東京支部「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(いわゆる「赤い本」)を参考に積算されます。
    大阪支部では、(財)日弁連交通事故相談センター「交通事故損害額算定基準」(いわゆる「青い本」)を参考に積算されます。

  • 紛争処理センターは、加害者の任意保険会社に対して、ある程度の拘束力を持っています。
    和解斡旋がまとまらない場合、審査会による審査が行われて、「裁定」が提示されます。(裁判でいう「判決」のようなものです。)
    加害者の任意保険会社は、この裁定に従わなければならない決まりとなっています。(一方で被害者は、この裁定に拘束されません。)

(財)交通事故紛争処理センター利用のデメリット

  • 本部、支部、相談室を含めても、全国に10ヶ所しかありません。
    ほとんどが主要都市にあります。残念ながら、地理的に来訪が難しい方もいらっしゃると思います。

    東京本部
    〒163-0925
    東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリスビル25階
    TEL 03-3346-1756  FAX 03-3346-8714

    札幌支部
    〒060-0001
    北海道札幌市中央区北1条西10丁目 札幌弁護士会館4階
    TEL 011-281-3241  FAX 011-261-4361

    仙台支部
    〒980-0021
    宮城県仙台市青葉区中央2-2-1 仙台三菱ビル4階
    TEL 022-263-7231  FAX 022-268-1504

    名古屋支部
    〒450-0003
    愛知県名古屋市中村区名駅南2-14-19 住友生命名古屋ビル24階
    TEL 052-581-9491  FAX 052-581-9493

    大阪支部
    〒541-0041
    大阪府大阪市中央区北浜2-5-23 小寺プラザビル4階南側
    TEL 06-6227-0277  FAX 06-6227-9882

    広島支部
    〒730-0032
    広島県広島市中区立町1-20 NREG広島立町ビル5階
    TEL 082-249-5421  FAX 082-245-7981

    高松支部
    〒760-0033
    香川県高松市丸の内2-22 香川県弁護士会館3階
    TEL 087-822-5005  FAX 087-823-1972

    福岡支部
    〒810-0001
    福岡県福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル10階
    TEL 092-721-0881  FAX 092-716-1889

    さいたま相談室
    〒330-0843
    埼玉県さいたま市大宮区吉敷町1-75-1 太陽生命大宮吉敷町ビル2階
    TEL 048-650-5271  FAX 048-650-5272

    金沢相談室
    〒920-0853
    石川県金沢市本町2-11-7 金沢フコク生命駅前ビル12階
    TEL 076-234-6650  FAX 076-234-6651

  • 必要な資料は、すべて自分で用意しなければなりません。
    紛争処理センターは解決に力を貸してくれます。しかし、紛争処理センターに丸投げする、単に行きさえすれば、自動的に金額を提示してくれるわけではありません。
    必要な資料はすべて自分で集めなければなりませんし、それなりの準備も必要となります。
    また、最終的な判断も自分で行わなければなりません。

  • 紛争処理センターにも限界があります。
    例えば、裁判では認められる遅延損害金や弁護士費用は、紛争処理センターでは認められていません。また、事故発生状況や医学的に争いがある場合には、紛争処理センターでは対応できないことがあります。
    紛争処理センターでは、自賠責保険で認定された後遺障害等級をもとに、良くも悪くも「無難な解決」が求められています。

  • 自動車共済については、下記共済にしか紛争処理センターの拘束力がおよびません。

    ・全国共済農業協同組合連合会(JA共済連)
    ・全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
    ・全国トラック交通共済協同組合連合会(交協連)
    ・全国自動車共済協同組合連合会(全自共)
    ・全国中小企業共済協同組合連合会(共済連)

    ただし、全労済、教職員共済生協、JA共済連、自治協会、町村生協、都市生協、市有物件共済会、自治労共済生協の自動車共済の場合、(財)日弁連交通事故相談センターにおける審査委員会が出す「評決」(紛争処理センターでの「裁定」にあたります。)を尊重することになっています。

    このため、JA共済連や全労済を除く、これらの共済の場合は、(財)日弁連交通事故相談センターでの示談あっ旋をご検討ください。(なお、JA共済連と全労済は、紛争処理センターの和解斡旋をおすすめします。)

    なお、タクシー共済などに対しては、紛争処理センターも日弁連交通事故相談センターも拘束力がおよびません。

 (財)交通事故紛争処理センターでの手続きの流れ

 ※ 東京本部を例にして、一般的な流れをご説明します。

1、電話による予約

事故発生日、発生状況、相手方(加害者の任意保険会社)、治療状況、後遺障害などについて尋ねられます。なお、次の場合は、受け付けてもらえません。
・ 治療が終了(治癒、症状固定)していない場合。
・ すでに裁判や調停が行われている場合。 など
その後、初回面談日の日程が決められます。およそ1ヶ月後となります。

  ↓

2、書類の受領、資料の収集

予約が済むと、紛争処理センターより書類が届きます。
利用申込書は、署名押印をして初回面談日に提出します。また、この間に必要な資料も集めておきましょう。なお、紛争処理センターは提出した資料を返してくれませんので、必ずコピーを作って提出してください。

  ↓

3、初回面談日

紛争処理センターでの面談は、1回につき1時間ほど掛かります。
ただ、予定どおりに進むとは限りませんので、時間には余裕を持って臨んでください。
初回面談日には利用申込書、資料を持参します。職員による簡単な受付がありますので、その際に提出します。
受付後、いよいよ面談が始まります。
初回は通常、相手方は来ていません。被害者と紛争処理センターの弁護士との話し合いがメインとなります。提出した資料をもとに、事故発生状況や損害額、請求額などが検討されます。

  ↓

4、第2回面談日、第3回面談日・・・

第2回面談日より、相手方も話し合いに参加します。
紛争処理センターの弁護士をとおして、被害者と相手方で話し合いが行なわれます。
相手方による損害賠償額の再提示や紛争処理センターの弁護士による賠償額の提示(斡旋案の提示)が行われ、最終的にまとめられていきます。
第3回、第4回・・・と面談を重ねていき、話し合いがまとまれば示談となります。示談の際には通常、示談書に代わる「免責証書(承諾書)」を作成して解決となります。
しかし、面談を重ねても最終的にまとまらない場合、「斡旋不調」として審査会へ移行します。

  ↓

5、審査会による審査・裁定
  (ちょっとした裁判をイメージしてください。)

審査会による審査は、改めて期日が設けられます。被害者、相手方双方から話を聞いたうえで審査を行い、結果を「裁定」として双方に提示します。(裁判の「判決」にあたります。)
相手方は、この裁定に従わなければなりません。このため、被害者が裁定に同意すれば示談となります。
一方で、被害者は、必ずしも裁定に同意する必要はありません。しかし、同意しなかった場合は、紛争処理センターでの手続きは終了となりますので、裁判などを検討せざるを得なくなります。

行政書士サポートオフィス横浜の経験より

当事務所の事例では、早い方は第2回面談日で、遅い方でも第4回面談日で話しがまとまっています。今までに、審査会へ移行したことは、ほとんどありません。
審査会による裁定は、弁護士基準をもとに、常識的な金額が提示されています。裁定をまとめた「交通事故裁定例集」という本が出版されていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。
株式会社ぎょうせい http://shop.gyosei.jp/


 (財)交通事故紛争処理センターの利用をおすすめできる人

 ※ 行政書士サポートオフィス横浜の見解です。

1、加害者に紛争処理センターの拘束力がおよぶ任意保険会社が付いている人

拘束力がおよばない場合、話し合いがまとまらないことが多いのではないかと思います。

2、後遺障害12級から14級が認定された人

死亡事故や重度後遺障害の場合は、弁護士に依頼して裁判されることをおすすめします。これらの場合、損害額が数千万円から一億円を超えることも珍しくなく、費用対効果を考えても弁護士による裁判の方が良いでしょう。
逆に、後遺障害が残らない場合(傷害のみの場合)は、手間・費用対効果を考えて、まずは直接、加害者の任意保険会社と話し合ってみて、まとまらないときに紛争処理センターの利用を検討されると良いと思います。

3、解決に向けて努力する気持ちのある人

紛争処理センターでの主役は、言うまでもなく「被害者」です。確かに、紛争処理センターは解決に力を貸してくれます。しかし、紛争処理センターに丸投げする、単に行きさえすれば、自動的に金額を提示してくれるわけではありません。
必要な資料はすべて自分で集めなければなりませんし、それなりの準備も必要となります。また、最終的な判断も自分で行わなければなりません。
解決に向けて努力する気持ちが必要です。

4、円満な解決を望んでいる人

これが最も大切です。
紛争処理センターは、「当事者双方がお互いに譲り合うことによって合意形成を図ることを前提」としています。円満な解決に向けて、譲歩する気持ちを持つことが大切です。
「もらえるものは全てもらわないと気が済まない!」「加害者や保険会社を困らせてやりたい!」とお考えの方は、紛争処理センターでの解決はおすすめできません。

 

交通事故専門の行政書士が無料でお答えします

 

Copyright (C)2013 行政書士サポートオフィス横浜 All rights reserved